ゲストハウスのクララさん

ゲストハウスGolden Treesの管理人クララさんのちょっと変わった日常を綴ったブログ

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

京都三条ゲストハウス夏。墓参りツアー中編。

「ビビッてないし!!!」 玄馬君は主張した。 囃しているのは明奈ちゃんである。 裏口から我さきへと飛び出して、墓地へと続く石道を歩きながらズッコケた。石道の幾つかはツルリと滑りやすいのである。完璧に忘れていた。 「あんたにもあんなかわいい声が…

車はないが足はある。三条のゲストハウスを、今日もクララさんは渡り歩く。

車はないが、足はある! クララさんが京都に来てから何かと大変なことの一つに、車がないことがある。 滋賀の頃には車は当然のようにあったが、京都に来てからは、車で移動が叶わない。 月極駐車場が高いのだ! 琵琶湖を眺めながら車を走らせていたあの頃が…

目につくところを綺麗にすることが重要なんです。

「気をつけてお帰り下さい。またのご利用お待ちしております!」 昨夜から二泊三日、京都観光に来ていたお客様がお帰りになった。 「楽しんで頂けたようで良かったです」 クララさんはそういうと、掃除用具一式をもって、ご利用されていたお部屋へと向かう。…

肝試しと墓参りは節度を持って。京の夏のゲストハウス前編。

たまには肝試しも一興ですよね。 これは受験生の賢一君が夏真っ盛り、勉強の気晴らしにいっちょ肝試ししてみようぜ! となって、友人たちを引き連れて、ゲストハウスにやってきたときのお話である。 「確かにうちの裏手にはお墓があるけど、本気かい? バチ…

敏感な火災報知器に呼ばれたクララさん。

火災報知器の話。 クララさんの部屋にも聞こえる大きさで、火災報知器の甲高い音が響いた。 クララさんは慌てずに、 「誰かやっちゃいましたかね」 と言って、足早にエレベーターのスイッチを押した。音は2階から響いていた。 「もともと、僕が管理人をやる…

今日も仕事を終えながら。ゲストハウスの静かな夜。

クララさんがゲストハウスの前を掃除中の11時頃のことである。 夜の静かな喧騒の中をスッと通って自転車が止まった。 「お、賢一くん。今帰りかい?」 「はい。明日は久しぶりのオフなので、ちょっと早めに帰ってきました」 「受験生は大変だね。調子はど…

ビールを飲む人なのか、飲まない人なのか。晩酌はほどほどに。

「なかなかのお部屋ですね」 クララさんは言った。飲料らしきものが床にこぼれ、乱れた布団に、食べかけの菓子袋がテーブルに広がったまま。いうなればやりっぱなし状態である。 こういうお部屋もあるのだろう。いや、むしろこういうお部屋なほうが多いのか…

カードはどこへ消えた? クララさんは考えた。

お客様の相談事。 ゲストハウスなので、泊まっていかれるお客様は毎回違うのですが、部屋の清掃をしているからこそわかる、人間性というのは、確かにありますね。 そんなお話がある。 ご利用されてから、忘れ物のお問い合わせというものがある。 クララさん…

その目に映る何か。その部屋にあるのは過去か、未来か。

さてそれでは、管理人クララさんの、お仕事を覗いてみよう。 といっても、基本的には下宿人対応と、お部屋の掃除である。もちろん、その他、求人や経理など、諸々の事務作業になるけれど。 クララさんは、ホテルの清掃を仕事にしていたこともある。 ホテルの…

独立と求人とジブリ。千と千尋か、もののけ姫か。

ゲストハウス"Golden Trees"の管理人クララさんは、まだまだ独立したばかり、毎日駆け出し奮闘中だ。 管理と清掃が、主な仕事とはいえ、一口にいっても、やることは様々だ。なにせ、決められた仕事をやればひとまずはよしのサラリーマンと違って、一つの事業…