気まずいお話。
さて、ゲストハウスとホテルとの違いにはいろいろとあるが、確たる違いは客層の違いである。
とにかく海外のお客様が多い。
8,9割は外国からのお客様だ。
『つまり宿泊されるお客様には日本にいながらリアルに英会話の勉強をご提供できる、という訳です』
『マジですが……』
『嘘です』
『なるほど。ずっと泊りづけで一気にアメリカ留学とか?』
『宿泊費はずっと頂きますので、結果的にはさっさと海外に行かれたほうがいいですね』
『それができないから、英会話に行くのでは……?』
『いつになったら日本を立つのでしょうか?』
という感じで、英語を話されるお客様も多い。国籍は多種多様であるが、一番多いのはアジア圏のお客様である。
ゲストハウスには、長期滞在をされるお客様もいる。そういうお客様へのサービスとして、中間清掃を提供している。
通常なら、お客様は当然、荷物を置いて観光に出かけられているものではあるが、時間外構わずお部屋に居られる方もいる。
『気にせずやってくれていいよ!』
なんて言って下さるが、清掃する側は気になるというものである。
「そうですね、例えば……」
といってクララさんは、過ぎ去ったあの頃の記憶を懐かしむように話してくれた。
このお話はまた別のページでお話ししよう。
(※この物語は実在の場所と施設と関わる人々を元にしたフィクションです。)